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ルートをたどる
2011年12月15日 |
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どんな道にでも、誰かの記憶が眠っている。その道には、何か特別なものがあるわけじゃない。だけれども、誰かにとっては、その道が日常を存在させている。そんな「誰か」の姿を想像しながら、ルートをたどってみる。 |

私たちはふだん、どこか目的地まで移動するために道を通る。たいていの場合は、周りの景色に気を留めることはなく、ただ通過していってしまう。しかし私たちは、道が発するわずかな情報をもとに、その時々にあったルートを選択している。
地図を渡され、定められたルートをなぞりながら道を歩いてみると、自然と周りに目が向くようになる。そのルートは、とある身近な友人にとって馴染みのある道。「彼」の行動を想像しながら、身近な環境を構成している要素について、感性を働かせてみる。
想いを馳せる
歩きながら感じ取るのは、目に見えるものだけではない。人の流れ、聞こえてくる会話、大通りの喧噪、路地裏の薄暗い雰囲気、商店からただようにおいなど、多くを無意識のうちに身体は受け止めている。そこにさらに、「彼」の過去を投影させる。ここは昔どんな場所だったのか、時間も巻き戻して考えようとすると、想像力を働かさなければいけなくなる。そうなると、住宅地の塀がひび割れているのも、壁のちょっとした落書きも気になってくる。きれいで新しいお店があると、その前には何があったのだろうかと考えてしまう。その道を歩いて目にしたもの、感じ取ったもの、わずかにでもにじみ出ている情報を整理し、頭のなかでストーリーを紡いでいく。「彼」が、確かにその道を歩いていた姿さえ思い浮かべば、ストーリー自体に正しさは必要ない。感性と想像力、頭と身体を働かせながらその場で得たものは、まぎれもない本物である。「彼」の身に染みついている、その道で繰り広げられた日常が、ルートをたどることで掘り起こされるのだ。
イメージを重ねる
ルートをただ歩くだけではなく、「彼」はここで○○していたんじゃないか、と想像しながら写真を撮る。そこに現れるイメージは、さまざまな<距離感>によって変わってくる。「彼」と歩く人の距離感が近ければ、具体的にそのルートで何をしそうか、どんなものに興味をひかれていたか、想像もつきやすい。歩く人とその場所の距離感が近ければ、どんな人がそのルートを使うのか、どういう目的で訪れる人がいるのか、周りには何があるのか、細かいところまで気がつくことができる。さらに、歩く人にとって距離感の近い場所があれば、自分の記憶も重ね合わせて、より豊かなイメージが思い浮かぶ。
親密さによって粒度の異なる「彼」に対する<イメージ>と、訪れたことがあるかないか、また訪れる頻度や目的によって異なる、その場所に対する<イメージ>が組み合わさり、自分がこれまでどのように過ごしてきたか、記憶のなかにある年代ごとの<イメージ>によって色づけされ、ひとつの像が浮かび上がってくる。ルートを歩きながら撮った「写真」というひとつの<イメージ>のなかに、重なり合った<イメージ>を読み解くことができるのかもしれない。
一緒にたどる
ルートを一周した後は、いまの「彼」とともに、もう一度ルートをたどる。それぞれに想像した昔の「彼」の姿と、思い描いたストーリーを、一周目に撮った写真とともに語ってもらう。その場で語ってもらうことで、いま目の前にいる「彼」の姿を見ながら、昔を想像することができる。また、それを受けて「彼」も語る。実際はどうだったのか、当時を思い出して語っているうちに、さらに思い出すこともある。「彼」自身も「誰か」の語りによって、忘れていたことが掘り起こされるのだ。
また、歩いた人たちの間でも、会話が生まれる。同じものを見て同じ想像をしていた人もいれば、違うものを見て似たようなストーリーを思い描いた人もいた。当たり前のことだが、同じルートをたどっても、人によって異なる体験をしている。それでも、似たような想像がなされ、共感することができるのは、「彼」と一定以上の時間をともにしているということだけではなく、異なる場所で育っても「同年代」というだけで共有できる何かがあり、自分には馴染みのない場所でも、その道を歩いて感性を働かせると、そこにある日常が読み取れるようになる。そして、その体験が「彼」や「場所」との関係、自らの経験をもとにして語られると、今度は、語るその人らしさも出てくる。不思議と、その人がどのようにこれまでを過ごしてきたかにまで、想像が及んでしまった。<場所>は人がいて成り立つものであり、その空間だけがあればいいのではない。何気なく歩いている「道」でも、「誰か」の存在を読み取り、身近な人物を想定することで、ただの景色として過ぎ去られることがなくなるのだ。
成果物
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01「洋服はここでそろえます」 |
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02「ラーメン屋」 |
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03「自転車」 |
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04「もう廃園となったであろう幼稚園の公園」 |












